10月22日に開催された「第2回福祉用具における保険給付の在り方に関する検討会」で、貸与種目である「歩行器」「手すり」「つえ」を、販売種目に移行する方向で議論が進められている。今月にも意見集約がおこなわれ、12月初旬に開催予定の社会保障審議会介護給付費分科会に上申される予定。審議会で了承されれば、2008年4月から改正となる見通し。
検討会では、各委員が前回会議で発言した意見を課題ごとに整理した。現行制度の課題を短期的なものと中長期的なものとに分け、短期的な課題については来月にも意見の集約を行い、12月に開催予定の社会保障審議会介護給付費分科会に上申して改正する方向だ。
短期的として整理されたのは、
(1)同一用具の価格差で平均値から著しく外れる「外れ値」への対応
(2)市場原理を働かせるための利用者への情報提供の仕組み
(3)貸与から販売への種目見直し
の3点。
1点目の平均値から著しく高い、あるいは著しく低い貸与価格については、国保連の介護給付費適正化システムを活用して「外れ値」を弾き出し、保険者である市町村が個別に指導に当たることで意見の集約が行われた。
2点目の利用者・ケアマネジャーへの情報提供については、介護サービス事業者が自らのサービス内容をインターネット上で公表している「介護サービス情報の公表」制度や、テクノエイド協会の福祉用具情報システム(TAISシステム)の活用を、いっそう促進していくことで一致した。
検討会で活発な議論が交わされたのが「歩行器」「手すり」「つえ」の販売種目への見直しについて。「福祉用具は使ってみないとわからないので、販売に移行させる場合にはクーリングオフのような仕組みが必要」「歩行車のような借り替えの少ないものに限っては販売という考え方もある」など、移行を前提にした意見が多く出された。
特に販売枠に移行させた場合、安全性をどのように担保するかについての関心が高く、「レンタルであれば事業者が責任をもって保守点検の対応をしているが、販売になってしまうと、経年劣化による事故をどのようして未然に防ぐのか」「レンタルの原則は維持しながら、購入を選択できるような方向性が望ましい」など、慎重な意見も多くあった。
参考までに!
介護保険制度見直しについての議論の活発になってきています!
介護保険制度見直しに向けた議論が活発化してきた。本来は2009年見直し(報酬改定)だが、2011年度末までの“療養病床再編”が控えているため、これらを含めた一部分は08年に前倒しで見直しが行われるためだ。
おさらいまでに療養病床再編とは▽療養病床38万床(介護保険適用13万床、医療保険適用25万床)を医療の必要性「医療区分」から見直して、医療療養病床15万床のみに再編する▽削減される既存病床は、老人保健施設や有料老人ホーム、特養ホームなどに転換させる(優遇策あり)▽2011年3月末までに再編を完了させる――とするもの。大本命の老健施設転換を喚起させるため、後に「(仮称)医療機能強化型老人保健施設」として加算方式で医療・看護体制を評価する方針も示している。
これら国の計画目標に対して、都道府県・市町村や病院、老健施設関係者、療養病床利用者など各方面に混乱が起こっている。当事者の療養病床は、08年の診療報酬改定と「医療機能強化型」の加算体系を見極めて、転換方針を固めることになる。はたして示される報酬体系が老健施設転換を後押しするものとなるか、年明けにも明らかになる報酬体系が注目される。
また、福祉用具に関しても08年度実施予定の大きな懸案がある。一部レンタル品目の購入品目への移行だ。「歩行器」「つえ」「手すり」のレンタル品目が挙げられており、検討が進められている。
いずれにしても社会保障費削減の命題を前に、利用者、事業者、施設関係者のいずれにも厳しい内容が予想される。国民(利用者)負担軽減、サービス提供体制確保のための、消費税引き上げ議論も活発化しそうだ。