厚生労働省は3月31日「第3回介護予防継続的評価分析等検討会」(座長:辻一郎東北大学大学院教授)を開催し、これまでに得られたデータを仮集計した結果、特定高齢者や要支援者に対する介護予防について、一定の効果が見受けられたと発表した。ただし、介護予防効果と判断することについては「様々な議論がある」ことを認め、今後、さらなるデータや分析方法の精査を行い、秋頃をめどに中間のとりまとめをおこなう予定とした。
同検討会は、改正介護保険法で介護予防施策が導入される際に「施行後3年をめどに、費用対効果の検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずるもの」と附則がついたことを受け、2006年12月に設置された。これまでに全国83市町村で実施されてきた介護予防事業の効果に関する詳細データを収集・分析してきたことについて、このたび仮集計を発表した。
調査は特定高齢者、要支援者、それぞれ対象者1,000人を1年間追跡調査し、介護予防サービスの効果について分析している。
特定高齢者については「維持改善」となった人が制度導入前は96.5%だったのが、導入後98.1%と1.6%増加した。反対に「悪化」となった人は導入前3.5%から1.9%と1.6%減少した。
要支援者では「維持改善」となった人が、導入前84.8%から導入後92.7%と7.9%増加。反対に「悪化」となった人は導入前15.2%から導入後7.3%と7.9%減少した。
この結果から「人・月」単位で比較した場合、介護予防の効果が明らかになったとまとめている。
ただし、分析は制度導入前と導入後の比較について、まったく同じ対象群の比較ではなく、あくまで仮定にもとづいて行った暫定的なものであり、効果には疑問が残る。厚労省も「(今回の結果が)ただちに介護予防効果の大きさとみなすことについては、様々な議論がある」と認めた。
今後は、悪化する人の発生率や費用対効果についても検討し、最新のデータを用いて秋頃をめどに中間のとりまとめをおこなう。最終のとりまとめは来年3月末におこなわれる。