65〜69歳男性「働きたい」4割
政府は20日午前の閣議で2008年版「高齢社会白書」を決定した。65歳以上の高齢者は07年10月1日現在、前年より86万人増えて約2746万人(男性1170万人、女性1576万人)だった。
総人口に占める高齢者の割合(高齢化率)は前年比0・7ポイント増の21・5%で、人数、比率ともに過去最高を更新した。白書は、働く意欲が旺盛な高齢者自らが、人口減の中で活力ある社会維持に果たす役割の大きさを指摘し、多様な就労形態を整えることの重要性を訴えた。
高齢者のうち、65〜74歳の前期高齢者は約1476万人(男性694万人、女性782万人)、75歳以上の後期高齢者は約1270万人(男性477万人、女性794万人)。
17年には後期高齢者が前期高齢者を上回ると予測した。
4月から始まった後期高齢者医療制度(長寿医療制度)では75歳での「線引き」への反発が出ているが、白書は、要介護の高齢者の割合が、前期高齢者では3・3%なのに、後期高齢者になると21・4%と高くなっていることを示した。
高齢化率が55年に40・5%に達し、05年には現役世代3・3人で高齢者1人を支えていたのが、55年には1・3人で1人を支えることになり、平均寿命もさらに延びると予想した上で、「65歳以降の人生が長期化する」と強調。65歳から69歳の就職していない人のうち、男性は4割以上、女性は2割以上が就労を希望しており、働く意欲のある高齢者の活用と若い世代の「働き過ぎ」の是正で、世代を通じた「仕事と生活の調和」が必要だとしている。
[解説]元気な人材、貴重な戦力
高齢社会白書は、就労意欲や社会参加意欲のある高齢者を「高齢社会を支える貴重なマンパワー」と位置づけた。高齢者の活用は、仕事と子育てとの両立などに悩む若年者世代を支える効果が期待できる。
ただ、高齢者の就労を巡っては、年齢差別が現実の壁となっているとの指摘もあり、企業の一層の努力が求められる側面が大きい。
福田首相は、後期高齢者医療制度への批判を踏まえて、総合的な高齢者施策を打ち出す考えを示しているが、20日の閣僚懇談会で、「元気なお年寄りがボランティア活動やNPO(非営利組織)的な組織作りをすることを政府が支援する体制があっていい。お年寄りは社会に十二分に役立っている存在だとの観点で対応することが大事だ」と強調した。政府、民間が一体となって、高齢者の社会参加を進める道筋を具体的に示す必要がある。